よだつ
【標準語】億劫がる、手間がかかる
【品詞】形容動詞
【意味等】
(1)「億劫がる」のよだつ
《意味》気が乗らない、面倒がる、気が重い
《用例》
・急い…事故で亡くなっちゃあけん、気の毒うして…お悔みい行くとい、何かヨダツちゃん
→突然…事故で亡くなられたので、気の毒で…お悔みに行くのに、何だか気が重いんだ
・こえん暑かとい…日していじゅう工事現場やら…ヨダツや、仕事ばってん…行きたむなか
→こんなに暑いのに…日がな一日工事現場なんて…億劫だなあ、仕事だけど…行きたくないなあ
・お客さんの来なさあ前い…掃除ばせないかんとばってん、今日なきつかし…ヨダツと
→お客さんがおいでになる前に…掃除をしないといけないけど、今日はきついし…気が乗らない
(2)「手間がかかる」のよだつ
《意味》手数がかかる、面倒臭い
《用例》
・役所の補助金な欲しかばってん…書類やら何やらヨダツけん、あんまと…受けたむなかや
→役所の補助金は欲しいんだけど…書類や何やと手数がかかるので、あまり…受けたくないんだ
・あっちの注文な…細こうしてヨダツことばっかり、ぜんにならんけん…でけることなら断りたか
→あちらの注文は…細かくて手間がかかることばかり、利益が出ないので…できたら断りたい
・おらあ…企画立案が仕事たい、会場準備やら物品注文やら…ヨダツ仕事な、お前たちが…すると
→俺は…企画立案が仕事だ、会場準備や物品注文など…面倒臭い仕事は、お前たちが…やるんだ
【参考】「よだつ」の由来は諸説ある
(1)古語の「弥猛し(よだけし)」の音変異説
《意味》面倒臭い、億劫な
《参考》大分や宮崎では「よだきい」という、同じ意味の方言がある
(2)近世以降の言葉「弥怠し(よだるし)」の音変異
《意味》とても怠い、ひどく怠い
《参考》岡山では「よだつ」、東海地方では「よだるい」という、同じ意味の方言がある
イラストによる状況解説
【翻訳】
《上段》
「気が乗らない…何だか…行きたくない気分だ」
「何…してるの?早く…学校に行きなよ!熱でもあるの?」
(本当は宿題をしていない)
《下段》
「補助金の申請には、過去3年分の確定申告書と収支内訳書の写し…」
「それと、別添の事業計画書を書いて、金融機関の残高証明、それから…」
「あれこれウダウダ…決定後は年2回の報告がありますので…うだうだ…」
「面倒くせえ…補助金を受けようっちゃ…大変だ!こんなに…書類がいるの?」
「どうしようか…受けるの辞めようか…」
【博多・糸島弁検索】
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