おおばち

【標準語】ほらふき、大袈裟な、大雑把な

【品詞】形容動詞、名詞

【意味】

(1)「ほらふき」の「おおばち」

《意味》実現しそうにないことを言う、ほらをふく、大風呂敷を広げる、またその人

《用例》

・あらあオオバチやけん…信用されん、また…嘘ば言いようぐらい思うとう
 →あいつほら吹きだから…信用できん、また…嘘を言ってるとしか思ってない

・酒飲うだら…オオバチやもん、話な…半分くらいい聞いとってよか
 →酒飲んだら…大風呂敷を広げるんだ、話は…半分くらいに聞いてていいよ

・世間知らずが…そら理想論たい、現実ば知らんのいて…オオバチやもん
 →世間知らずめ…それは理想論だ…現実を知らないで…出来そうもないことを言う


(2)「大袈裟」の「おおばち」

《意味》大層な、大変な、わざと実際よりも誇張して表現すること、またその人

《用例》

・ああたが…オオバチい言うけん、なんごとやろか…事件やろうかと思うた
 →あなたが…大層に言うから、何が起きたのか…事件だろうかと思った

・えらい美人のおるって聞いて…飲みい来たが、あの娘な?…オオバチやん
 →すごい美人がいると聞いて…飲みに来たけど、あの娘かい?…大袈裟だよ

・あの人いな…絶対い言いなんな、オオバチい…流いてそうつきなあけん
 →あの人には…絶対に言っちゃ駄目、面白おかしく…噂を広めるから


(3)「大雑把」の「おおばち」

《意味》小さなことにこだわらない、いい加減、大まか、無責任またその人

《同義》おおばち、おおまん、おおばちげーな、おおばんげなか

《用例》

・こらあ…命い関わる危険か仕事やけん、オオバチいしよったら…死人の出るばい
 →これは…命に関わる危険な仕事だから、いい加減にしてたら…死人が出るぞ

・また…仕事ばほたらかいて帰っとう、あえなオオバチかたあ…辞めさしょうえ
 →また…仕事を放ったらかして帰ってる、あんな無責任なやつは…辞めさせようよ

・後で…かんね直すけん、このネジの山ばオオバチい…5つの山い分けとって
 →後で…数え直すから、このネジの山を大雑把に…5つの山に分けておいて

【参考】

・由来は不明だが、四国で「おおばしい」という方言があり、同じ意味

・ただし「かさばる」という意味もあり、博多・糸島弁の「ばばしい」にもあたる

「おおばち」を使ったことば

おおばちげーな

【標準語】大雑把

【品詞】形容動詞

【意味】小さなことにこだわらない様、大雑把、おおまか、「おおばち」(3)と同意

【同意】おおばち、おおばちげーな、おおばんげな、おおまん

【用例】

・オオバチゲーナ男で…頼りいならんばってん、みんない好かれとうもん
 →いい加減な男で…頼りにならないけれど、みんなに好かれている

・そえなオオバンゲナ仕事ばして、後でおおごといなったっちゃ知らんけんね
 →そんな大雑把な仕事をして、後で大変なことになっても知らないからね

・大将なオーバチゲーナかけん…収支の合わんげな、商売人な…向いとんなれん
 →大将が大雑把なので…収支が合わないらしい、商売人には…向いていない

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イラストによる用例解説

 

【翻訳】

・おおばち

 「ハーイ」
 「お、俺は…怖かったんだぞ!謎の外国人が急に手を振り上げて…来るんだぞ!」
 「ひええええ…本当なの?」
 「あいつは大袈裟なので…話は半分だよ」

・おおばちげーな

 「親方ぁ…この角材、切ってしまっていいんでしょ?」
 「おうっ?何だって?いいんじゃないか…」
 「切っちゃったら…いかん!親方は…大雑把だから…俺に聞いてくれ!」

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