うっぽがす
【標準語】穴を空ける、取り払う
【品詞】動詞
【意味】
(1)「穴を空ける」の「うっぽがす」
《意味》穴を通す、かっぽじる、貫通させる
《用例》
・エアコンのダクトば…室外機と繋ぐけん、ドリルで壁ば…ウッポガイて
→エアコンのダクトを…室外機と繋ぐので、ドリルで壁に…穴を空けて
・大事か話やが…1回しか言わんけん、耳の穴ばウッポガイテ…聞いて
→大事な話だけど…1回しか言わないので、耳の穴かっぽじって…聞いて
・新道な…国道の下いトンネルばウッポガイテ、空港まで…ノンストップげな
→新道は…国道の下にトンネルを貫通させて、空港まで…ノンストップだそうだ
(2)「取り払う」の「うっぽがす」
《意味》切り通す、仕切りや壁などを取り除く、突破する
《用例》
・リホームな…キッチンと居間の間の壁ば、ウッポガイテ…広か部屋いすると
→リホームは…キッチンと居間の間の壁を、取り除いて…広い部屋にするんだ
・今年の春闘の重要課題な…ベースアップ、団体交渉で…ウッポガッソ
→今年の春闘の重要課題は…ベースアップ、団体交渉で…要求貫徹だ
・ゴールな壁の向こうやが…どうして行かれん、迷路の壁ば…ウッポガシたか
→ゴールは壁の向こうだが…どうしても行けない、迷路の壁を…切り通したい
【参考】
・「うっぽがす」の由来は、うっ(打つ)+ほがす(穿つ:穴を空ける)
基本となる言葉
うっぽげ
【標準語】穴
【品詞】名詞
【意味】反対側まで突き抜けた穴、空洞
【参考】由来は諸説
・打ち空けられた穴…うっ(打つ)+ほげ(ほげる:穿って空いている)
・うと(空洞)の穴…うっ(うと:洞)+ほげ(ほげる:穿って空いている)
【類義】うと、うど、うとけ、うろ、おとけ
《意味》洞、空洞、洞穴
《参考》由来は、うつ(空)の音変異
《用例》
・小学校のおきなかエンノキのウトい…ムササビのおるが、巣ば作っとうやなかな?
→小学校の大きなエノキの洞に…ムササビがいるけど、巣を作ってるんじゃないの?
・一番生りのスイカな…ウトケのあって、売りもんにならんけん…ちぎると
→一番果のスイカが…空洞があって、売り物にならないので…摘果するんだ
【用例】
・木の根元のウッポゲい…卵のあるが、鳥かいな?ヒラクチやなかろうね?
→木の根元の洞に…卵があるけど、鳥かなあ?マムシじゃないだろうね?
・スイカいるな?一番果やけん…ウッポゲとろうが、初もんやけん…よかろ?
→スイカいるかい?一番果だから…空洞があるだろうが、初物なので…いいだろ?
・枝の折れたとば…放っとったら、そっから木の腐って…ウッポゲのでけとう
→枝が折れたのを…放ってたら、そこから木が腐って…空洞ができている
「うっぽげ」に関連する言葉
うっぽんぽん、がんがらがん
【標準語】穴が空いた状態
【品詞】名詞
【意味】空洞がある状態、身がすっからかんの様
【同義】うっぽんぽん、がんがらがん
【参考】
・「うっぽんぽん」の由来は、諸説ある
①「うっぽげ」を調子をつけて「うっぽんぽん」と言った…音変異説
②空洞のあるものを叩くと「ぽんぽん」と音がするのが由来という説
・「がんがらがん」の由来は、諸説ある
①空いている様を表す「がらがら(がらんがらん:伽藍伽藍)」の音変異説
②空き缶など、空っぽの金属容器の「がらがら」という音が由来という説
【用例】
・このスイカあ…一番果やろ?いがんどうけん…ウッポンポンやろうや
→このスイカは…一番果だろ?歪んでいるので…中は空洞だろうな
・ダゴバチの来よったが…ミツバチの巣なガンガラガン、逃げて…おらんごとなった
→スズメバチが来てたが…ミツバチの巣はっすっからかん、逃げて…いなくなった
・舞台の小道具やけん…ウッポンポン、そうよう…張りぼてで作っちゃあ
→舞台の小道具なので…中はすっからかん、すべて…張り子で作ってある
イラストによる状況解説
【博多・糸島弁検索】
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