きがさもん、きじょうもん
【標準語】しっかり者、勝気な者
【品詞】名詞
【意味】
(1)「しっかり者」の「きじょうもん」
《意味》いつも物事をきちんとする几帳面な人、気の強いしっかり者、立派な心の人
《参考》几帳面の意:身のまわりの注意や服装、髪かたちなどをきちんとする心掛け
《用例》
・不幸の続くとい、あっちの奥さんなキジョウモンやけん…シャンとしとんなる
→ご不幸続きなのに、あちらの奥さんは気丈夫な人だから…きちんとしてある
・うちの社長なキガサモンやけん…やおいかんごとなったっちゃ、ブレなれん
→うちの社長はしっかり者なので…大変な状況になっても、ブレることがない
・あらあキジョウモンやけん、がてんのいかんやったら先生いっちゃしかかると
→あいつは気が強いしっかり者だから、納得いかなければ先生にだって喧嘩を売るんだ
(2)「勝気な者」の「きじょうもん」
《意味》負けん気が強い人、気持ちの強い人
《用例》
・うちのあねさんなキジョウモンやけん、何でちゃ…1番やなからな気い入らんと
→私の姉さんは負けず嫌いだから、何でも…1番じゃないと気に入らないんだ
・あらあキガサモンやね、いくらこっくらいたっちゃ「まいった」って言わんっちゃが
→あいつは負けん気が強いな、どんなに殴りつけても「まいった」は言わないんだよ
・子供んとっからキガサモンやけん、しゃばかくせい…はったりと度胸で喧嘩いな勝つと
→子供の時から勝気なやつなので、弱いくせに…はったりと度胸で喧嘩には勝つんだ
【同義】きがさもん、きじょうもん
【関連】
・「きじょうもん」は「気丈者」の音変異
→「気丈」の意:心がしっかりしていること、気持ちをしっかりと保つさま、気丈夫
・「きがさもん」は「気嵩者」の音変異
→「気嵩」の意:勝気、負けぬ気、また、そのさま、豊かな心、立派な心
イラストによる用例解説
【翻訳】
「ご主人に先立たれているのに、頑張って店のきりもりも…子育ても…
きちんとされてる!えらいなー…うんうん…ぐすん!」
「母さんは…店に出るから…家のことは頼むよ!」
「私にまかせて!」「うん」
「きじょう」を使った言葉
きじょうばだす
【標準語】頑張る
【品詞】動詞
【意味】最後まで一生懸命に努力し通す、全力で取り組む
【参考】
・きじょうばだす→きじょう(気持ちをしっかりと保つさま)+ば(を)+だす(出す)
【用例】
・また試合い負けたとな?つぁーらんねぇ、優勝ば狙うぐらいキジョウバダイテんやい
→また試合に負けたのか?つまらんなあ、優勝を狙うくらい最後まで努力してみろよ
・「医者いなる」て言うて、キジョウバダシテ九大医学部い入んなったげな
→「医者になる」と言って、一生懸命に頑張って九大医学部に合格したそうだ
関連(類義)の言葉
きばくもん
【標準語】働き者
【品詞】名詞
【意味】一生懸命に仕事をする人、人一倍働く人
【参考】
・「きばくもん」は「気魄者」の音変異
→「気魄」の意:強い信念と責任を持ってやり通す力、何ものにも屈しない強い精神力
【用例】
・あっちゃ…キバクモン、早うに旦那の亡うなって…女手一つで子供ば太りあがらせなった
→あちらは…働き者、早くに旦那が亡くなって…女手一つで子供を育て上げたんだ
・我が店ば持ちたかい言うて…ひしていじゅう働くと、あらあ努力家…キバクモンやん
→自分の店を持ちたいと言って…朝から晩まで働くんだ、あいつは努力家…働き者だよ
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