けち

【標準語】不吉、狡猾

【品詞】形容動詞

【意味】

(1)「不吉」の「けち」

《意味》不吉な状況、縁起の悪い様、前兆が悪いこと、文句、因縁

《参考》

・「けちがつく」という使われ方が多く、不吉な兆しがあることを意味する

・「けちをつける」は「前兆を悪くする→文句をつける、因縁をつける」の意

《用例》

・元カノのどうのこうのと…ケチのついた結婚やったが、とうとう離婚しなったげな
 →元カノがどうこうと…兆が悪い結婚だったけど、とうとう離婚したらしいよ

・料理い虫の入っとうって…ケチばつけよるたあ、この辺で有名か…クレーマーやが
 →料理に虫が入ってると…文句をつけた人は、この辺で有名な…クレーマーだよ

(2)「狡猾」の「けち」

《意味》狡い、お金を出し惜しみする

《用例》

・あらあ…会計んとき、おらんごとなってじぇんばださんと、ケチやん
 →あいつは…会計のとき、いなくなってお金を出さないんだ、狡猾だよ

・おらあ…協力せん、ケチって言われたっちゃ…納得しとらんこたあ、せん
 →俺は…協力しない、狡いと言われても…納得してないことは、やらない

【参考】

・由来は、不思議で奇怪な事件を意味する「怪事(けじ)」の音変異

・江戸時代に「卑しい」「粗末なさま」といった意味が加わる

・現在は、さらに「金品を惜しむ」「守銭奴」などの意味が加わっている

「けち」がつく言葉

けちい、けちか

【標準語】狡い

【品詞】形容詞

【意味】狡猾だ、けちだ、守銭奴だ、責務を逃れて抜け駆けするものへの非難の言葉

【類義】こすい、こすか

《参考》ほぼ同意だが「しみったれ:出し渋り」の意味合いが強い

【用例】

・忙しかとい…おらん思うたら、喫茶店でサボっとったげなねぇ、ケチカー
 →忙しいのに…いないと思ったら、喫茶店でサボってたそうだな、狡いわよ

・あん課長な…得意先からの土産やら試供品やら独り占めいしなあと、ケチカっちゃもん
 →あの課長は…得意先からの土産や試供品などを独り占めするんだ、ケチなんだよ

・あらあ…ケチいと、店の忙しゅうなってきたんだ…おらんごとなってサボリよう
 →あいつは…狡いよ、店が忙しくなってきたら…いなくなってサボってる

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イラストによる用例解説

 

【翻訳】
「じゃあ…先に帰るから…あとかたずけ…ヨロシク!」
「あーっ!お前…狡いぞ!先生に言ってやる」
「あんた!狡いよ!」「ケチだー」

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