さりくり、されくれ

【標準語】無理矢理、ひどく(強調の接頭語)

【品詞】副詞、接頭語

【意味】

(1)「無理矢理」の「さりくり」

《意味》強引に行うさま、無理だと分かって行うさま

《用例》

・食うなって言いようとい…サリクリ食いなあけん、腹のせいて…下痢しよんなあ
 →食うなと言ってるのに…強引に食っちゃうから、腹が痛くなって…下痢してる

・初めと…金魚すくいばしたが、ポイのそぜたけん…いっちょだけサレクリお碗に入れた
 →初めて…金魚すくいをしたけど、ポイが壊れたので…一匹だけ無理矢理お碗に入れた

・一目惚れで…さっち結婚するって言いよったが、サリクリ押し倒いて…旦那いしなった
 →一目惚れで…必ず結婚すると言っていたが、強引に押し倒して…旦那にしちゃった

(2)「ひどく」の「さりくり」

《意味》激しく、真っ逆さまに…など続く動詞を強調する接頭語

《参考》「落ちる」や「こける」の頭について形容動詞となる

 →事例1:さりくり+落ちる

〈意味〉激しく落ちる、真っ逆さまに転がり落ちる

〈同義〉さりくり落ちる、されくれ落ちる、され落ちる

 →事例2:さりくり+こける

〈意味〉激しく転ぶ、ひどく転倒する、つまずいてもんどりうって倒れる

〈同義〉さりこくる、さりこける、されこける

《用例》

・諺いあるばってん…サルも木からサリクリ落てることのある、過信せんとばい
 →諺にあるけど…サルも木から真っ逆さまに転がり落ちることがある、過信するなよ

・運動会の親子競技で…リレーい出でたが、身体のついて行かんで…サレクリこけた
 →運動会の親子競技で…リレーに出たけど、身体がついて行けずに…ひどく転倒した

・スケート場い…愛らしか子のおったけん、つやつけて滑りよったら…サリこけっしもうた
 →スケート場に…可愛い子がいたので、カッコつけて滑ってたら…激しく転んじゃった

【同義】さりくり、されくり、さり、され

【参考】

・由来は不明、「されくり」と「さり」、「され」は「さりくり」の音変異

・「され」は(2)の接頭語で、(1)の無理矢理の意味はない

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イラストによる用例解説

【翻訳】
「運動会の保護者協議でねぇ…すっ転んじゃって…腕の骨は折れるし…
 足は靭帯が切れるし…もう、身体はボロボロ…ガタガタだ、頭も切れて3針!」
「これはどうしたことか…大変だったねぇ!」
「ここ痛いでしょ」

 

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