いだめしか、いらめしか、しぇからしか、しゃあしか、せからしか、せわらしか
【標準語】うるさい、きまりが悪い、けち臭い、煩わしい、騒がしい様子
【品詞】形容詞
【意味】
(1)「うるさい」のせからしか
《意味》騒がしい、うるさい、喧しい
《用例》
・ああ…シャアシカ。兄しゃんな受験勉強ばしよんなあっちゃけん、ちったあ静かいしない
→ああ…騒がしい。お兄ちゃんは受験勉強をしているんだから、少しは静かにしなさい
・セワラシカなあ…俺ばっかし責めんちゃよかろうもん、ああたたちも悪かっちゃろうが?
→うるさいなあ…俺ばかり責めなくってもいいだろ、あなたたちも悪いんでしょう?
・じぇんば返せ、返せって、えらいセワラシカばってん、返さんやったことのあるや?
→お金を返せ、返せと、たいへん喧しいけれども、返さなかったことがあったかい?
(2)「きまりが悪い」のせからしか
《意味》きまりが悪い、恥ずかしい
《用例》
・シェカラシカ…こっちば見んな。競艇で大損こいて、何も買うてききらんやったとたい
→きまりが悪い…こっちを見るな。競艇で大損して、何も買うことができなかったんだ
・そえん褒めなんな…セカラシカったな、ああた…俺ば褒め殺ししょうと思うとらんな?
→そんなに褒めるな…恥ずかしいだろ、あなた…俺を褒め殺ししようと思ってないか?
(3)「けち臭い」のせからしか
《意味》こせこせした、けちくさい
《用例》
・おらあ…あらあ、いっちょん好かん…「倹約・倹約」って、セワラシカ男やろうが
→俺は…あいつが、大嫌いだ…「倹約・倹約」と、けち臭い男だろうが
・なんや?あらあ…俺ばえずがっとうとや、何か言うたら…シェカラシカ態度ばするとぜ
→何だ?あいつ…俺を怖がっているのか、何か行ったら…こせこせした態度をするんだ
(4)「煩わしい」のせからしか
《意味》煩わしい、せわしい、忙しい
《用例》
・税金やら、年金やら、健康保険料やら、払いもんの多して、ほんにいセカラシカなぁ…
→税金やら、年金やら、健康保険料やら、腹いものが多くて、本当に煩わしいなぁ…
・おらあ、選挙やら出らんぜ…老後な悠々自適の生活ばすると、シャアシカこたあせんばい
→俺は、選挙なんか出ないぞ…老後は悠々自適の生活をするんだ、面倒なことはしないよ
(5)「騒がしい様子」のせからしか
《意味》騒がしくてしようのない様子
《用例》
・選挙期間中な、えらいセカラシカ…名前の連呼な聞きとうなか、公約ば言うてんれ
→選挙期間中は、とても五月蠅い…名前の連呼は聞きたくない、公約を言ってみろ
・母ちゃんの友達の来とんなあ…いつまでっちゃシャアシカが、よう話すことのあるなあ
→母さんの友達が来てるんだ…いつまででも騒がしいけど、よく話すことがあるものだ
【同義】いだめしか、いらめしか、しぇからしか、しからしか、しゃあしか、しゃあらしか、せからしか、せわしか、せわしなか、せわらしか
【類義】やかましか:ほぼ同義だが「口うるさい」や「有名な」などの意味もある
【参考】
・関西から九州まで広い範囲で使われる言葉(同義語が広く重複しながら分布)
・同義語は言い方や使い方で、微妙にニュアンスが異なる
イラストによる状況解説
【翻訳】
「あなた…いつもだもの…脱いだら…脱ぎっぱなし…出したら…出しっぱなし…」
「(うるせえ…)はいはい…私が悪うございました」
【博多・糸島弁検索】
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