なあも
【標準語】なにも、なんにも
【品詞】連語、副詞
【意味】
(1)同類の事物を一括して示す「なあも」
《意味》なにも、なにもかも
《参考》連語→代名詞「なん」+係助詞「も」
《用例》「ストレスのあろうごたあ…仕事ことやらナアモ忘れて、たんたん飲みい行こう」
→「ストレスがありそうだ…仕事のことなど何もかも忘れて、お酒を飲みに行こう」
(2)全面的に否定する場合の「なあも」
《意味》なにも、なんにも
《参考》あとに打消しの語を伴う
《用例》短い言い回し
・「おらあ…ナアモ知らんばい」→「俺は…なんにも知らないぞ」
・「いっちょん…ナアモ見えん」→「ちっとも…なにも見えない」
・「俺の飯な?ナアモなかばい」→「俺の飯は?なんにもないよ」
(3)取り立てて限定する必要もない「なあも」
《意味》なにも、別段
《参考》あとに打消しの事項を伴う
《用例》「ナアモ…にくじゅうのごと、すぐせれっては言いよらんとばってん…急いじゃり」
→「特段…嫌がらせのように、すぐにやれとは言ってないんだけど…急いでほしい」
【関連】「なあも」を使ったことば
(1)「なあもしよらん」→「なにもしていない」→「関与していない」
《参考》自分の立場を有利にしたいとき、事案に絡んでいないことを主張する
《用例》「ナアモシヨラン…ああたの会社ば乗っ取ろうやら…おらあ、そえん腹黒うなか」
→「関与していない…あなたの会社を乗っ取ろうなんて…俺は、そんなに腹黒くない」
(2)「なあもなか」→「何もない」→「すっからかん」
《参考》何もない状態、空っぽ、すっからかん
《同義》なあもなか、なんもかんもなか
《用例》「冷蔵庫いな食わるるたあナアモナカ…母ちゃん、何もなかとな?」「ナアモナカ」
→「冷蔵庫には食べられるものは何もない…母ちゃん、何もないかい?」「なんにもない」
イラストによる状況解説
【翻訳】
①「忘年会なので、何もかも忘れて…愉しんでください…じゃあ…カンパイ」
②「そう言えば…社長!今年は給料をあげると約束してたでしょ…」「本当かい?俺は何にも覚えていないよ」
③「賃上げ要求!団体交渉…団結ガンバロー」「何も…忘年会の席でしなくても…いいだろう」
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