えしれんこと、どしれんこと、よしれんこと
【標準語】訳の分からないこと、不確実なこと、よしなしごと
【品詞】連体詞、形容動詞
【意味】
(1)「訳の分からないこと」のえしれんごと
《意味》理由がわからないこと、理解が出来ないこと、とんでもないこと
《用例》
・おらあ頭の悪かけん…意味の分からん、あんたあ…エシレンコトば言いようもん
→おれは頭が悪いので…意味が分からん、あんたは…理解できないことを言っている
・ぐらぐらこいた…くらすやら、ドシレンコトば言うてしかかって…許されめえもん
→気分が悪い…殴るなんて、訳の分からんことを言って殴りかかって…許されないだろ
・「あらあ顔の好かん?」そえなヨシレンコトで、くびいしなあやら…嘘やろ?
→「あいつの顔が嫌い?」そんなとんでもないことで、くびにするなんて…嘘でしょ?
(2)「不確実なこと」のえしれんごと
《意味》確かではないこと、不確かなこと、突拍子もないこと
《用例》
・おかあしか儲け話やら…エシレンコト言うて、俺ばひきそざいそしなんな
→胡散臭い儲け話なんか…不確実なこと言って、俺を悪の道に引きずり込むなよ
・「死んどんなあ」やら…家族の前でドシレンコト言いなんな、捜索な始まったばっかりぜ
→「死んでるよ」なんか…家族の前で不確かなことを言うな、捜索は始まったばかりだぞ
・出資してほしかなら…分かるごと説明しない、ヨシレンコトいな投資やらされん
→出資してほしいなら…分かるように説明しろよ、確かではない事には投資などできん
(3)「よしなしごと」のえしれんごと
《意味》途方もないこと、つまらないこと、とりめのないこと、わけもないこと
《用例》
・自分探しい旅い出るやら…エシレンコトば言いよんなあが、息子な大丈夫な?
→自分探しに旅に出るなんて…よしなしごとを言っているけど、息子は大丈夫かい?
・婆さんな…ちっとボケよんなれんな?さあきからドシレンコトば…言いよんなあぜ
→お婆ちゃん…少しボケかけていない?さっきからとりとめのないことを…言ってるよ
・自慢話やら悪口…ヨシレンゴトばっかし、あんたと話したっちゃ…いっちょん面白うなか
→自慢話や悪口…つまらないことばかり、あんたと話したって…ちっとも面白くない
【同義】えしれんこと、どしれんこと、よしれんこと
【参考】由来は「得知れぬこと」の音変異、意味は、知るよしもないこと
イラストによる事例解説
【翻訳】
えしれんごと1:訳の分からないこと
「これは、ありがたい壺ですよ…買いなさい。500万円です…買わないと呪われますよ」
「ああ…どうしよう!」
えしれんごと2:不確実なこと
「ここに投資したら、2年で3倍に…なりますよ!しないと…馬鹿ですよ」
「ど…ど…どうしよう!」
えしれんごと3:よしなしごと
「あなた…誰ですか?私の母さんだったかな?」
「そこに…大名行列が行っていますが、母さんの家来なのかな?」
「じ、じいちゃんがボケちゃってる!」
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