もうらしか、もおらしか
【標準語】蒸し暑い
【品詞】形容詞
【意味等】湿度が高くて暑い、蒸されるように暑くて苦しい
【同義】もうらしか、もおらしか
【参考】
・もう・もお(蒸す)+らしか(状況)→蒸されるような高温で湿度が高い状況
・佐賀・長崎方面では「むうらしか」と言い、「うむす(蒸す)+らしか」と思われる
【関連】
・長野県付近でも「もうらしい」を方言で使う
・意味は「可哀相」や「気の毒」で、由来は異なるものと推察される
【用例】
・地球温暖化の進みようとかいな?5月んとい…モウラシカねえ、年々、暑うなりようごたる
→地球温暖化が進んでるのかなあ?5月なのに…蒸し暑いなあ、年々、暑くなっているみたいだ
・こえんモオラシカ日い、ひしていじゅう外で働きよったら、具合の悪うなるばい
→こんなに蒸し暑い日に、日がな一日外で働いていたら、健康を害するよ
・夜いなったっちゃモウラシカ…エアコンのそぜとうけん冷房も除湿も効かん、寝不足いなるが
→夜になっても蒸し暑い…エアコンが故障してるので冷房も除湿も効かん、寝不足になるぞ
「もうらしか」を使った言葉
えぐりもうらしか、えぐりもおらしか
【標準語】非常に蒸し暑い
【品詞】連体詞
【意味】風がなくて蒸されたようにひどく暑い状態、梅雨末期の蒸し蒸しと暑い状況
【同義】えぐりもうらしか、えぐりもおらしか
【参考】
・「もうらしか(蒸し暑い)」のさらに最大限の過酷な模様
・えぐり(掻き回すように、熱気が上がるように)+もうらしか(蒸し暑い)
・「えぐり」とは、もろみなどをかき混ぜる棒状の道具
・「えぐり」を使った作業は、発酵熱と湿度で息苦しいものと推察される
【用例】
・何な今日の天気な、エグリモウラシカ…じっとしとったっちゃ、具合の悪うなろうごたあ
→何なんだ今日の天気は、ひどく蒸し暑い…じっとしてても、具合が悪くなりそうだ
・毎日、毎日…エグリモオラシカねえ、7月いなったっちゃ…いっちょん梅雨のあからん
→毎日、毎日…蒸し蒸し暑苦しなあ、7月いなったのに…なかなか梅雨明けしない
・たーらん、エグリモオラシカ。汗じっくりやけん行水してくる
→たまらん、苦しいくらい蒸し暑い。汗びっしょりなので行水をしてくる
イラストによる状況解説
【翻訳】
《もうらしか》
「倹約しないで、クーラーぐらい…つけようよ!蒸し暑いー!」
「電気代が高いので、もう少し辛抱して…」
《えぐりもうらしか》
「頭がクラクラしてきてる…熱中症だよ!これは…駄目になりかけているぞ」
「電気代が高いので、もう少―し辛抱して…」
【翻訳】
「無茶苦茶むし暑いぞぉー、ぐおおお…たまらんなぁ!こりゃあ…」
「しかたないでしょ!朝からエアコンが壊れれるんだから!うわっ…うそでしょ…室温35℃!湿度が90%もあるもの…不快なはずだわ」
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