~しゃい、~ない、~やい
【標準語】~なさい
【品詞】動詞(命令系)
【意味】~なさい(少し丁寧な命令)
【同義】~しゃい、~ない、~やい
【参考】動詞の連用形に接続し、その行為を丁寧に勧める命令形
(1)「~しゃい」の「~なさい」
《参考》動詞「しろ」「せよ」の尊敬語、丁寧な尊敬表現
《類義》~てんしゃい
・丁寧な命令形、接続助詞「て(で)」+「みなさい」が転化したもの
《用例》
・「やかましか、あっちい行きんしゃい」→「うるさい、あっちに行きなさい」
・「美味しかとやけん、食べてんしゃい」→「美味しいんだから、食べてみて」
(2) 「~ない」の「~なさい」
《参考》
・「なさい(なさるの命令形:しろ、せよ)」を軟らかく転化した「なさいませ」の略
・漢字で「為い」、「為さい」のことで、「為す」の丁寧な命令形
《同義》~ない、~なざい、~なざっせえ、~なっせ、~なっせえ
《類義》~てんない、
・「~てんない」は接続助詞「て(で)」+「なさい」がつまって転化したもの
《用例》
・たいそあるけん、遠慮せんで食べナイ。こらあ旨か、騙されたと思うて食べテンナイ
→沢山あるから、遠慮せずに食べなさい。これは旨い、騙されたと思って食べてごらん
・後のこたあよかけん、もう帰んナイ。家の人の心配しござろうけん、早よ帰んナッセエ。
→後のことはいいから、もう帰りなさい。家の人が心配してるから、早く帰んなさい。
・あがんナザッセエ…お茶なっと飲んじゃんナッセエ…とりもんでんとっちゃんナッセ
→お上がりなさいませ…お茶でもお飲みなさいな…お茶菓子でもつまんでください
(3) 「~やい」の「~なさい」
《参考》軽い命令形で、尊敬の助動詞「やる」の命令形のみ残ったもの
《類義》~てんやい
・軽い命令形で、接続助詞「て(で)」+「やる」がつまって転化したもの
《用例》
・「せっかくやけん、飯なっと食べヤイ」→「せっかくなので、飯でも食べなさい」
・「まあだ食いきいなら、食うテンヤイ」→「まだ食えるなら、食ってみなさい」
【参考】~てん
・「~てん」は「~てんしゃい、~てんない、~てんやい」が省略されたもの
《用例》
・見た目な悪かばってん、騙された思うて食べテン…うまかよ…なんかなし食うてん
→見た目は悪いけど、騙されたと思って食べてみて…美味いよ…とにかく食ってごらん
・このゲームえらい難しか、あんちゃんもしきんなれんやった…しきりきいなら…しテン
→このゲームすごく難しい、兄ちゃんも出来なかった…出来るもんなら…してごらん
イラストによる状況解説
【翻訳】
《上段》
「ちょっと飲んでごらん!」
「これが…あの銘酒「波津邑(はつむら)」の純米しずく搾りだよ!1升8,000円」
「うわ~っ、よくこんな好いのが手に入ったねえ…飲んでいいの?山廃のあらばしり…」
《中段》
「こっちも飲んでごらん!」
「こっちが…その吟醸で、蔵まで行かないと手に入んないんだ…4合瓶で4,000円」
「これは…また、喉にスッと消えていく…くう~っ!うめえ…たまらん」
《下段》
「これも飲んでみてよ!」
「鑑評会出品の純米大吟醸…こいつは絶対に手に入らんぞ!値段がつかんヤツ」
「そんな良い酒は…酔っ払う前に出さないと~もう…味がわからん、もう…何でも旨い!」
【博多・糸島弁検索】
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