いっぱい、うんと、うんとこ、ええしこ、ようけ、ようけえ
【標準語】たくさん
【品詞】副詞
【意味等】多く、よりたくさん、あまた、余るほど
【同義】いっぱい、うんと、うんとこ、ええしこ、ようけ、ようけえ
【参考】
(1)「いっぱい」について
・由来は「一杯」で、標準語でも「たくさん」の意を持つ
・ただし、容量に対する「たくさん」で「あまた」の意はなく、ニュアンスが違う
《用例》
・イッパイ食うて…大きゅうならなあ、ばってん取るたあ…100円の皿いしとっちゃんない
→たくさん食って…大きくならなきゃ、でも取るのは…100円の皿にしといてくれ
・この家な…ゴッカブローのイッパイおる、床下ば見たら…ゾゴゾゴするごとおった
→この家は…ゴキブリがたくさんいる、床下を見たら…悪寒が走るようにいた
(2)「うんと・うんとこ」について
・由来は不明、標準語では重いものを持ち上げるときなどの掛け声、唸り声
・「うんと」と声を出さないと運べないほど、たくさんの意味か?
《用例》
・船越のおいさん方から…牡蠣棒ばウントもろうたけん、よかしこ持っていっちゃり
→船越のおじさんちから…牡蠣をたくさんもらったので、よいだけ持っていって頂戴
・今日な…朝からウントコ仕事したけん、ご褒美な発泡酒やのうして…ビールば飲むけん
→今日は…朝からたくさん仕事したから、ご褒美は発泡酒じゃなくて…ビールを飲むから
(3)「ええしこ」について
・由来は不明、「よいだけ」の意の方言「よかしこ」の音変異と思われる
・「ええしこ」→「よいだけ」→「いるだけ、たくさん」→「たくさん」と想定
《用例》
・タマネギの品薄んとい…うちゃあ運良う豊作で、エエシコ儲かって…笑おうごたあ
→タマネギが品薄なのに…うちは運良く豊作で、たくさん儲かって…笑っちゃいそう
・ジャガイモのたいそ採れたけん、持って行き…遠慮せんでエエシコ持って行きんしゃい
→ジャガイモがたくさん採れたので、持って行って…遠慮せずにたくさん持ってってちょうだい
(4)「ようけ・ようけえ」について
・由来は「余計(よけい)」の音変異
・中部から関西、九州にかけて全国的に使われる。「ようけい」で使われる場合が多い
《用例》
・たいそ釣れたけんって…アジコばヨウケもろうた、食いきれんけん南蛮漬けなっと作ってんどう
→たくさん釣れたからと…アジをたくさん貰った、食べきれないので南蛮漬けでも作ってみよう
・まあだ食うと?牧のうどんば3杯やら…あんたんごと、そえんヨウケエ食うたあ…おらんぜ
→まだ食うの?牧のうどんを3杯なんて…あなたのように、そんなたくさん食う人は…いないよ
【類義】たいそ、たいそう
・同様に「たくさん」の意味として使われる
・ほかにも、「大変な」や「大仰な」など「たくさん」以外の意味もある
イラストによる状況解説
【翻訳】
《ようけい》
「あなた…そんなにたくさん喰って…大丈夫かい?」
「私は大食い女王ですよ…どんどん持って来てちょうだい!」
《ようけ》
「そんなにたくさん喰ったら…うんちもたくさん出るんでしょうなぁ?」
「もちのろん!うんこもたくさん出ますわよ」
「製糞機女王でも、あるんですねぇ」
【博多・糸島弁検索】
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