よかけん

【標準語】いいから、よいから

【品詞】副詞

【意味等】

(1)「いいから」のよかけん

《意味》とにかく、さておき

《参考》

・よか(いい)+けん(から:原因・理由を表わす接続助詞)
・消極的な者に対して、促すなどの意味で間投詞的に用いられる表現

《用例》

・蜂の子たい、わさび醤油で生で食うたらうまかって…ヨカケン騙されたと思うて食うてんない
 →蜂の子だ、わさび醤油で生で食ったらうまいって…いいから騙されたと思って食ってみろよ

・せっかくなかずの新地い来たっちゃけん…風俗店い行こうえ、ヨカケン、ああたも一緒たい
 →せっかく中洲の新地に来たんだから…風俗店に行こうよ、いいから、あなたも一緒だよ

・お前たちゃ、何ばおっせこっせ言い合いようとや?もうヨカケン、仲直りしい…飲みい行こう
 →お前たちは、何をあれこれ言ってるんだ?もういいから、仲直りをしに…飲みに行こう

(2)「よいから」のよかけん

《意味》良いから、好いから

《参考》よか(よい)+けん(から:「如き」の意味を添える助詞)

《用例》

・庭木の剪定なら…あすこの植木屋がヨカケン、知り合いやけん…俺が口ば利いちゃってよかよ
 →庭木の剪定なら…あそこの植木屋が好いから、知り合いなので…俺が口を利いてあげていいよ

・あの映画…観たな?えらいヨカケン…特いあの俳優の演技のヨカケン…おらあ泣いたやねえ
 →あの映画…観たかい?すごく好いよ…特にあの俳優の演技が好いから…俺は泣いちゃったよ

・ここまでの計算なヨカケン…こっからの計算ばやりそこのうとらんか、よおと見てんしゃい
 →ここまでの計算は合っているから…ここからの計算を間違えてないか、よく見てごらん

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イラストによる状況解説

【翻訳】

《上段》
「オレはいいから…こんなものは…食わん!」
「いいから…騙されたと思って…食ってごらんよ」
「なんだ?これは…」
「カエルのもも肉の唐揚げ!」
「気持ち悪い…ゲテモノじゃないのかい?」
「いいから食ってよ…」
「じゃあ…ひとつ…」
「うまいだろ?」

《下段》
「つまみに…ちょうどいいから…ビールがすすむ!」
「カレー味も塩味もいいから…こっちも食ってよ!」
「あらら…うまい」
「うまいだろ?」
「味は…鶏の唐揚げだなぁ!」
「一口サイズで…食いやすいだろ?」
「これは柚の香りがいいねえ」

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