よかしこ
【標準語】よいだけ、必要なだけ
【品詞】形容動詞、名詞
【意味等】
(1)「よいだけ」のよかしこ
《意味》欲しいだけ、たくさん
《用例》
・友達の農家からジャガイモば、たいそもろうた…やるけん、ヨカシコ持っていきんしゃい
→友達の農家からジャガイモを、たくさん頂いた…あげるので、欲しいだけ持って行って
・野菜詰め放題500円ですばい…ヨカシコ、詰め込まれるしこ持って行き…サービスですばい
→野菜詰め放題500円ですよ…よいだけ、詰め込まれるだけ持って行って…サービスですよ
・今日な…すき焼き、肉ばたいそう買うとうけん、ヨカシコ、食べらるるしこ食うてよかよ
→今日は…すき焼き、肉をたくさん買ってるから、たくさん、食べられるだけ食っていいよ
(2)「必要なだけ」のよかしこ
《意味》適量を、入用な分だけ
《用例》
・釘の足らんごとなったって?そこい、俺んとのあるけん…よかしこ持って行き
→釘が足らなくなったって?そこに、俺のがあるから…必要な分だけ持って行って
・まちいっと…塩の効いたが美味しゅうなるって?まかするけん、塩ばヨカシコ入れちゃんしゃい
→もう少し…塩が効いた方が美味しくなるって?任せるので、塩を丁度よく入れてちょうだい
・あんたんがたの畑の野菜…元気のなかなあ、ヨカシコ追肥しとかな…がじけた実しかならんばい
→あんたんちの畑の野菜…元気がないねえ、適量を追肥しないと…生育不足の実しか成らないよ
【参考】よか(よい・必要な)+しこ(分だけ)
【関連】「~しこ」を使った言葉
(1)あれしこ:あれだけ
《用例》「もう、非常食なアレシコしか残っとらんけん…まんぐって食うちゃんしゃい」
→「もう、非常食はあれだけしか残っていないので…調整しながら食べてくれ」
(2)これしこ:これだけ
《用例》「まあだ、ぜんのコレシコあるけん…3次会まで行て、ラーメンなっと食うて帰ろう」
→「まだ、お金がこれだけあるので…3次会まで行って、ラーメンでも食ってかえろう」
(3)それしこ:それだけ
《用例》「交通事故で…ひどか怪我ばしたとい、賠償金なソレシコ?俺が、文句ば言うちゃろう」
→「交通事故で…ひどい怪我をしたのに、賠償金はそれだけ?俺が、文句を言ってやろう」
(4)どれしこ:どれだけ
《用例》「同僚の結婚式い呼ばれたとばってん、お祝金なドレシコ包んだらよかとかいな」
→「同僚の結婚式に呼ばれたんだけど、お祝金はいくらぐらい包んだらいいんだろう」
(5)あるしこ:あるだけ
《用例》「余ったっちゃ困るけん、作ったごっつおーな、アルシコそうよう…食うていっちゃり」
→「余っても困るので、作ったご馳走は、あるだけ全部…食っていってくれ」
(6)涙んしこ、鼻糞んしこ:ごくわずか、微々たるもの
《用例》「寄付しちゃあって、みんなの前で偉そうい言いよったが…金額なナミダンシコやった」
→「寄付してやるって、みんなの前で偉そうに言っていたけど…金額は微々たるものだった」
イラストによる状況解説
【翻訳】
「たくさん採れたので…よいだけ持って行きなさい…井田原のミカンだよ」
「必要なだけ、もらうよ…家族に2個ずつ、全部で8個…もらうよ!美味しそうにしてる…」
「持って帰れるかなぁ?本当に…よいだけもらって…いいの?うれしいーっ!ミカン…大好き」
【博多・糸島弁検索】
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