こうしゃ、こうしゃもん

【標準語】巧みな人、賢い人、知恵者、知ったかぶり、おませな人

【品詞】名詞、形容動詞

【意味】

(1)「巧みな人」の「こうしゃ」

《意味》

・巧者、功者、練達な人、器用な人、手慣れた人、またそのさま

《用例》

・あの人あコウシャモンやけん、たいがいんたあ…我がで修理しきんなあ
 →あの人は器用なので、大方のものは…自分で修理ができるんだ

・あの職人なコウシャで…国際的な受賞も多か、いんま…人間国宝いなんなあぜ
 →あの職人は練達で…国際的な受賞も多い、そのうち…人間国宝になっちゃうぞ

・消防団歴20年…コウシャやけん、消火活動も早かし…指示もコウシャ
 →消防団歴20年…手慣れているので、消火活動も早いし…指示も巧み

(2)「賢い人」の「こうしゃ」

《意味》

・賢者、知恵がある人、思慮深い人、利口な人、またそのさま

《用例》

・こんか時ゃあ…コウシャモンな慌てんで、冷静い…いっちよか解決策ば言いなあと
 →こんな時は…知恵者は慌てることなく、冷静に…最善の解決策を言うんだよ

・カラスなコウシャ…遠かとこから観察して、種ば蒔いたら…知らんうちい穿っとう
 →カラスは利口…遠いところから観察して、種を蒔いたら…いつの間にか穿ってる

・あらあコウシャやけん…はらかかん、言いそこ間違いやらせん…面白うなか男たい
 →あいつは思慮深いので…怒らない、失言なんかしない…面白くない男だ

(3)「知恵者」の「こうしゃ」

《意味》

・物事を考え出す人、工夫する人、またそのさま

《用例》

・おいさんなコウシャモンやけん…視点の違あ、人の思わんごたあことば…考えなあ
 →おじさんは知恵者だから…視点が違う、人が考えないようなことを…考えている

・おらあコウシャ…発明家たい、いろいろ発明したが…なしてか特許の取れん
 →俺は考え出す人…発明家だ、いろいろ発明したけど…なぜか特許が取れない

・一休さんな…後世い語り継がるるぐらいのコウシャ、とんち話で有名か…坊さんたい
 →一休さんは…後世に語り継がれるぐらいの知恵者、とんち話で有名な…お坊さんだよ

(4)「知ったかぶり」の「こうしゃ」

《意味》

・よく知らないことを知っているかのようにふるまう人、またそのさま

《用例》

・あらあコウシャで…やりそこのうとう、「知ったかぶりの…たれかぶり」やもん
 →あいつは知ったかぶりで…失態してる、「知ったかぶりの…お漏らし野郎」だね

・コウシャモンな…バレんのきゃよかが、バレたんだ…小馬鹿いさるる
 →知ったかぶりをする人は…バレなきゃいいけど、バレたら…小馬鹿にされる

・面接で…コウシャするより、分からんって…正直い言ういうた方が印象の好か
 →面接で…知ったかぶりするより、分からないと…正直に言った方が印象が好い

(5)「おませな人」の「こうしゃ」

《意味》

・年齢の割りにませている人、またそのさま

《用例》

・あの女の子な小学生ばってん、えらいコウシャなことば言いなるね
 →あの女の子は小学生なのに、とてもませたことを言うんだねえ

・あらあ…コウシャで結婚の早かったが、娘もコウシャ…20歳前い結婚するげな
 →あいつ…おませで結婚が速かったけど、娘もおませ…20歳前に結婚するそうだ

・だいたい…コウシャモンな、色気づくとの早かけん…おせいなるとの早か
 →だいたい…おませな人は、色気づくのが早いので…大人になるのが早い

【同義】こうしゃ、こうしゃもん(名詞)

【参考】

・「こうしゃ」の由来は、古語の「巧者(こうしゃ)」で、(1)の意味と同じ

・「こうしゃもん」→こうしゃ(巧みな人…など)+もん(者)

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イラストによる用例解説

 

【翻訳】
一休宗純「マンガの俺は…すごーい知恵者なんだなあ」
坊主見習い一体「ポクポクポク…チーン!うきっ♡」
「あいつ…一休じゃない!」

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