うさごと、さあごと、すらごと、だまごと、らま

【標準語】虚言、絵空事

【品詞】名詞

【意味】

(1)「虚言」の「うさごと」

《意味》真実でないこと、嘘、偽り、たわごと

《用例》

・結婚詐欺師やけん、あまっこと言うたり…ウサゴト言うて、おなごしば騙しなあと
 →結婚詐欺師だから、でまかせに口説いたり…嘘を言って、女性を騙すんだ

・うちの子な大丈夫やろうか?悪か友達のでけてから、サアゴトばっかし言うごとなった
 →うちの子は大丈夫だろうか?悪い友達ができてから、嘘ばかりつくようになった

・おまやあ俺ばなめとらんや?スラゴトもたいがいいしとかな、うっ叩くぜ
 →お前は俺をなめていないか?たわごともいい加減にしておかないと、殴るぞ

・よう…そえん、立板い水の流るるごと次々いダマゴトは言いきるね…詐欺師のごたあ
 →よく…そんなに、立板に水が流れるように次々と嘘が言えるね…詐欺師みたいだ

(2)「絵空事」の「うさごと」

《意味》作り話、絵空事、根拠のない話

《用例》

・あんたの話な面白か、ウサゴトかほんなことか、いっちょんわからん
 →あなたの話は面白い、作り話か本当の話しか、ちっともわからない

・我だけ助かろう思うて、サアゴト言うな!簡単易う…仲間ば裏切るっちゃね?
 →自分だけ助かろうと思って、作り話をするな!簡単に…仲間を裏切るんだね?

・「このお化け屋敷な呪われとう」ってや?スラゴト言うて…えずがらせる作戦やね
 →「このお化け屋敷は呪われてる」だと?絵空事を言って…怖がらせる作戦だな

・えらい儲かるごとダマゴト言うて、8億円以上も融資さして…逃げ散らかいとう
 →すごく儲かると根拠のない話で、8億円以上も融資させて…逃亡している

【同義】うさごと、うそごと、うっさごつ、えすらごと、さあごと、さごと、すらごつ、すらごと、すさごと、だま、だまごと、らま

【参考】九州の各地で使われる

(1)「うさごと」「うそごと」「うさっごつ」について

・うそ(嘘)+ごと(事orことば)の音変異、地域によって微妙に違う

・「嘘である事柄(嘘の話)」または「嘘」

(2)「えすらごと」「さあごと」「さごと」「すらごつ」「すらごと」「すさごと」について

・そら(空)+ごと(事orことば)の音変異、地域によって微妙に違う

・「空である事柄(根拠のない話)」または「戯言」

(3)「だま」「だまごと」「らま」について

・だま(騙す)+ごと(事orことば)の音変異、地域によって微妙に違う

・「騙すための事柄(作り話)」または「虚言」

【類義】あまかこと、あまっこと

《意味》出鱈目、口から出任せ、淫らなこと、勝手なこと

《用例》

・あらあ…じょうもんさんば見つけたんだあ、アマッコトばっかし言うて…口説こうすると
 →あいつ…美人を見つけたら、口から出任せばかり言って…口説こうとするんだ

・嫁ごのおるとい、酔うたらおなごしい…アマカコトば言うて、浮気しょうすると
 →奥さんがいるのに、酔ったら女性に…淫らなことを言って、浮気しようとする

「すらごと」に関係することば

せんすら

【標準語】嘘ばかり

【品詞】副詞

【意味】嘘ばかりのこと、嘘だらけ

【関連】せん(千)+すら(すらごと:絵空事)→千の嘘(すらごと)→嘘ばっかり

【用例】

・お前の言うこたあ…センスラ、よう…息ばするごとウサゴトば言いきいねえ
 →お前の言うことは…嘘だらけ、よく、息をするように嘘がつけるものだ

・これもウサゴト、あれもサアゴト、ダマゴトばっかし…お前の話なセンスラで信じられん
 →これも絵空事、あれも戯言、虚言ばっかり…お前の話は嘘だらけで信じられない

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イラストによる用例解説

博多・糸島弁

 

【翻訳】
「どうしようかぁ…宝くじで3億円当たったみたい(ピコ、ピコ…)こりゃ大変だ」
「あんたぁ、作り話をするとき耳がピコピコ動くから…とてもわかりやすいねえ」

 

 

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