こうぼう、ふ、まん
【標準語】運
【品詞】名詞
【意味等】巡り合わせ、運命
【同義】こうぼう、ふ、まん
【参考】
(1)「こうぼう」の由来:主に糸島で使われる
・「光芒(こうぼう)」が由来説
→「光芒」とは、尾を引くように見える光の筋、一筋の光
・「好望(こうぼう)」が由来説
→「好望」とは、前途が有望であること、よい見込みがあること
※「こうぼう」は「背中が曲がる」の意もある、詳しくはこちら
(2)「ふ」の由来:九州を中心に広く使われる
・「神符(しんぷ)」の「符(ふ)」が由来の説
→神符とは、災難を祓ったり幸福を祈るために、神社や寺が出す護符(お札、お守り)
・「臓腑(ぞうふ)」の「腑(ふ)」が由来の説
→臓腑とは、身体の中にある臓器(はらわた)、心臓や肺、胃など生命を維持する器官
(3)「まん」の由来:関西を中心に広く使われる
・「間(ま)」の音変異
→「間」は、めぐりあわせの意…標準語で「間がよい」は、巡り合わせがよい→運が良い
【関連】「こうぼう」「ふ」「まん」を使った言葉
(1)「こうぼうのよか」「ふのよか」「まんのよか」
《意味》運が良い、巡り合わせが良い
《同義》こうぼうのよか、ふのよか、まんのよか
《用例》
・あの大事故い巻っ込まれて…怪我のひとつもなかやら、ほんに…コウボウノヨカ
→あの大事故に巻き込まれて…怪我のひとつもないなんて、本当に…運が良い
・空港ば出たら…マンノヨウ電車い間におうて、えらいはよう…家い帰ってこられたやなあ
→空港を出たら…運よく電車に間に合って、すごく早く…帰ってこれたよ
・フノヨカや…「大吉」やが、宝くじい当たるごと、フノヨカなら…もっとよかとばってん
→運がいいぞ…「大吉」だよ。宝くじに当たるほど、運が良いなら…もっといいんだけど
(2)「こうぼうのわるか」「ふのわるか」「まんのわるか」
《意味》運が悪い、巡り合わせが悪い
《同義》こうぼううんのわるか、こうぼうのわるか、ふのわるか、まんのわるか
《用例》
・開店したら…コロナやろ、で…火事で全焼たい。コウボウノワルカって…ありあゃせん
→新装開店したら…コロナだろ、で…火事で全焼だよ。運が悪いって…この上ない
・最終電車で帰ろうと駅い来たら、マンノワルウ…酔っぱらいい絡まれて、乗られんやった
→最終電車で帰ろうと…駅に行ったら、運悪く…酔っぱらいに絡まれて、乗れなかった
・フノワルカや…「凶」ばい。フノヨカって言う人もおるが、いっちょん…よかことのなか
→運が悪い…「凶」だぜ。運が良いって言う人もいるけど、ちっとも…いいことがない
(3)まんなおし
《意味》縁起直し
《参考》まん(運)+なおし(リセット)→縁起直し
《用例》
・パチンコい大負けした…ずーっと負けとう…マンナオシい、一杯飲んでこう
→パチンコで大負けした…ずっと負けている…縁起直しに、一杯飲んでこよう
・ぬすとな入るし、病気ゃあするし…マンナオシい、雷山観音い行てお祓いしてもらおう
→泥棒は入るし、病気はするし…縁起直しに、雷山観音に行ってお祓いをしてもらおう
イラストによる状況解説
【博多・糸島弁検索】
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